4月の新生活に向けて気をつけること
毎年4月は大人も子どもも新しい生活がスタートします。
特にお子さんの場合は幼稚園や保育園デビュー、小学校入学、新学期のスタートなど、新しい環境になる月です。
環境が変わる4月に呼吸器・アレルギー疾患が悪化することをご存知でしょうか?
4月の新生活と咳やアレルギーの関係について解説していきます。
もしかしてと心当たりがある方は呼吸器科アレルギー科に相談しましょう。
目次
1・4月の咳やアレルギー症状がひどくなる原因
2・ストレスと咳、喘息の関係
3・あれ?と思う症状が出た時には
1・4月の咳やアレルギー症状がひどくなる原因
4月はスギ花粉のピークが落ち着いてくる頃ですが、続いてヒノキの花粉が多くなる時期でもあります。
また、三寒四温で気温や気圧が目まぐるしく変化することで体調を崩す人や咳が酷くなる方もいらっしゃいます。
花粉や気温の変化で咳が出る、喘息が酷くなるのも事実なのですが、実はこの時期に特徴的な咳、アレルギーの悪化はストレスが原因していることもあるのです。
4月になると小さいお子さんは初めての幼稚園や保育園に行き始めたり、小学校入学など生活環境が今までとは異なってきます。
また親御さんの転勤で知らない土地での生活が始まるお子さんもいます。
大人でも環境の変化はご自身が思っている以上にストレスがたまるものです。
お子さんも大丈夫なように見えてストレスを感じていることがあります。
実際に当クリニックでも4月は親子で風邪のような症状がずっと続いていると相談される方も多いです。
ストレスと咳と喘息、アレルギー症状の悪化は関連性があります。
2・ストレスと咳、喘息の関係
喘息や花粉症といったアレルギー疾患は体の免疫反応の異常で起こります。
通常は花粉や食べ物など特定のアレルゲンが体内に侵入したことによって症状が起こります。
ストレスとは外部から受ける様々な刺激、いわゆるストレッサーが負担となり身体や心に緊張状態が起こります。
ストレスの原因となるストレッサーは、気温や騒音などの物理的なもの、排気ガスなどの公害物質、薬などによる科学的なもの、人間関係や社会問題、職場環境などの社会的なもの、暴力や過剰な労働などによる肉体的なもの、苛立ちや不安など心理的なもの、このように様々なものがあります。
ストレスが自律神経を乱すことで免疫系の働きも乱れ、咳や気管支炎が悪化するとされています。
人間は適度なストレスは心身に良い緊張を与えるので必要ですが、ストレスは自分が気づいていないうちに過剰な状態に陥り、咳など心身に異常が現れてから自覚するという人も多いのです。
4月は花粉や気温の変化などでいつものアレルギーだろうと気がつきにくいのですが、新生活になった途端いつもの症状が悪化した場合は、ストレス性を疑った方がいいでしょう。
特に小さいお子さんはストレス性のものを自分で訴えることは難しいと思いますので、咳などの症状が酷くなった時には、一度専門医に受診してみることをおすすめします。
3・あれ?と思う症状が出た時には
4月は花粉や黄砂などからくる咳で、たまたま今年は酷いのかな?と思う人も多いと思います。
確かにその年の気温や状況によっては花粉が例年より長引くこともありますが、いつものアレルゲンに晒されていない状態で咳が止まらない、喘息がひどくなっていると感じた時にはストレスが原因とも考えられます。
心因性のストレスによって起こる咳を心因性咳嗽と言いますが、心因性咳嗽の特徴は風邪やアレルゲンに晒されるなど咳がでる原因がなくても、日中に乾いた咳が出る、緊張する場面で咳が止まらない、就寝時には咳が出ないなどの特徴があります。
心因性咳嗽の判断はとても難しいのですが、まずは気になる咳の症状が続いた場合には呼吸器アレルギー専門医に相談し、考えられる病気を一つ一つ鑑別していくことが大切です。
また、喘息など日常的にお薬でコントロールしている方はお薬の頻度や種類を変えるなど医師と相談して治療を進めていくことが大切です。
検査、診察、お薬によって様子を見つつ、考えられるストレッサーを緩和するための方法を見つけることが治療につながります。
お薬の服用とともに、運動やリフレッシュする時間の確保など生活に取り入れることで改善することもあります。
新生活のストレスが関係して悪化する咳や喘息ですが、環境が変化してすぐの4月に出る方もいれば、新生活が始まってから初めての大型連休、ゴールデンウィークを終えた頃に急激にストレス性の症状が出る方もいます。
症状によってはメンタルクリニックをおすすめする場合もありますが、咳などの呼吸器系の症状が出た場合はまず呼吸器、アレルギー専門クリニックに受診、相談することをおすすめします。