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知っておきたい重症喘息について

喘息の患者さんは小児喘息を含め、年々増加傾向にあり、今や国民病ともいわれるほど多くの患者さんが喘息と向き合っています。その中でも「重症喘息」という状態になっている患者さんもいらっしゃいます。「重症喘息」って何?治療法は?など特に喘息と診断された方には知っておいて欲しい重症喘息について解説します。

重症喘息とは?

今現在喘息の治療をされているにも関わらず、症状が改善しない、あるいは喘息発作の頻度が多くなっている、経口ステロイド薬を中断すると症状が悪化してしまう、これらの症状がある場合に重症喘息を疑います。

喘息は長期間に及ぶ治療のため、ご自身の判断で治療を中断してしまっている人もいらっしゃいますが、その場合は重症喘息の判断がつきにくいため、専門医の指導のもとガイドラインに沿って喘息治療を適切に行った上での診断となります。

重症喘息は著しく生活の質(QOL)を低下させます。特に学校生活を送っているお子さんにとっては進級や進学に影響が出ることも考えられます。また、重症喘息は気管支の炎症の継続によって気管支のリモデリングを起こし治りにくい喘息に進行してしまいます。(気管支のリモデリングの関してはこちらをご覧ください)

重症喘息の診断には専門医の適切な診察が不可欠です。専門医とともに患者さんに適した治療を進めていくことが重要になります。

重症喘息の特徴

通常喘息は吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの併用によって症状は緩和されます。ところが高容量の吸入ステロイドを使用しても咳や息苦しさ、喘鳴(ヒューヒューという音)が起きたり、症状がぶり返したりするのが重症喘息の特徴です。

しかし、高容量吸入ステロイドを使用して改善しないからといって、必ずしも重症喘息ではない場合もあります。例えば、喘息以外の呼吸器系の疾患を併発している、あるいは季節的な花粉などのアレルギー、喫煙などの悪化させる原因が伴っている、医師の指示通りの治療を行なっていない、などが挙げられます。重症喘息かどうかの診断は専門医のもと、今までの喘息の診断が正確であるか、薬物療法が適切になされているのかなどガイドラインをもとに慎重に進めていく必要があります。

重症喘息の治療

現在、重症喘息の患者さんは喘息患者さんのうちおよそ100人中8人もの割合で報告されています。様々なアレルギー疾患を持っている患者さんが年々増加傾向にあるのと同時に喘息の患者さんも増加し、さらに重症喘息になってしまう患者さんも今後増加傾向にあると予測され、重症喘息の治療薬の開発に期待が高まっています。昨今重症喘息治療法として新しい治療法が加わり、5種類の生物学的製剤(バイオ製剤)が適応されています。

生物学的製剤(バイオ製剤)の治療は、喘息の発作頻度や入院を減らすことによって生活の質(QOL)を向上させ、ステロイドの投与量を減らすことにより副作用のリスクを減らすことが大きなメリットとされています。デメリットとしては製剤の費用が高額なため場合によっては医療費控除や高額療養費制度などの制度を利用したり、経済的負担を考慮する必要があります。
(生物学的製剤使用に関しての料金は所得や年齢によって自己負担額が異なるため、使用が必要だと判断された時にはご相談ください)

生物学的製剤(バイオ製剤)について

生物的製剤(バイオ製剤)とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術、いわゆるバイオテクノロジーを用いて製造された高分子タンパク質を成分とする医薬品です。特定の抗体分子をターゲットにできるので、治療効果が高く併用するステロイド容量を減らせるメリットがあります。タンパク質を成分としているため、口から摂取すると消化されてしまうので点滴や皮下注射で投与します。

生物学的製剤(バイオ製剤)の使用においては、重症喘息であると確実に診断される必要があるため、通常の検査に加え追加検査をする場合があります。また、投与の終了に関しては主治医と相談しながら、症状の緩和、ステロイドの容量、生活に影響がないか、経済的負担など様々な側面から総合的に判断して決めます。

重症喘息に使用される生物学的製剤(バイオ製剤)5種

  ターゲットとする抗体 投与間隔
ゾレア®
(オマリズマブ)
IgE 2〜4週
ヌーカラ®
(メポリズマブ)
IL -5 4週
ファセンラ®
(ペンラリズマブ)
IL -5受容体 8週
(初回から3回は4週)
デュピクセント®
(デュピルマブ)
IL -4/13 2週
テゼスパイア®
(テゼペルマブ)
TSLP 4週

重症喘息は専門医の診察のもとガイドラインに沿って確実に治療を進めていかなければなりません。当院では呼吸器専門医、アレルギー専門医、総合内科専門医、小児科専門医が在籍しております。今まで喘息と診断された方でも、気になる症状がございましたらお気軽にご来院ください。

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