集団生活におけるぜん息対策
小児ぜん息の治療の目的はぜん息のないお子さんと同じように学校生活を送れることでもあります。日中の多くの時間を過ごすことになる集団生活、そこでは親御さんの目が届かないため不安を感じることも多いと思います。保育園も含めお子さんの集団生活におけるぜん息対策をまとめました。
目次
- 1. 集団生活で気をつけさせること
- 2. 宿泊を伴う行事のとき
- 3. 学校・保育園で発作が起きた時の対処方法
集団生活で気をつけさせること
集団生活といっても、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校と年齢によって状況は変わります。小学校前のお子さんの場合、お子さんご自身では伝えられないことも多々あります。アレルギーの有無、ぜん息の状況など園生活における注意するべき事項を詳しく事前に知らせましょう。
もちろん現在ではどこの園でも生活管理指導表のように親御さんが明記する体制はとられていると思いますが、ぜん息発作が起こった場合の対応は特にしっかりと園側と親御さんで話し合っておくことが大切です。まだ自分の意思をはっきりといえないお子さんには我慢しないですぐに先生に言うことをご家庭で徹底させておきましょう。
小学校以上の学校生活において特に気になるのは掃除の時間、チョークの粉、急な運動だと思われます。掃除の時間はマスクを着用したり、黒板掃除やペット係は避けるようにする、など事前に学校に伝えておきましょう。
学校生活で難しい問題に体育の授業があります。もちろんできる限り他のお子さんと同じように参加させたいところですし、お子さん自身も参加したいと望むところです。お子さんにとって運動を制限してしまうと体力低下になり、ちょっとした運動でもぜん息発作を起こしやすくなってしまいます。
ただしマット運動、マラソン、土埃の舞うグランドでの運動は特にぜん息発作を起こしやすいので、学校側にも協力を依頼することが必要です。準備運動をしっかりとさせる、場合によっては事前にお薬を使用するなど対策が必要です。お子さんは集団生活になるとお友達の目も気になり、無理してしまうことがあります。本人が大丈夫といっていても、咳き込んだり様子がおかしい時には先生の方から見学の指示を出してもらいましょう。
学校からも配布されますが、日本学校保健会が出している「学校生活管理指導表」を活用してみましょう。お子さんのぜん息の状況、使用しているお薬、かかりつけ医、緊急連絡先、発作が起きた時の対応など、親御さんが気になる点など細かく学校側に知らせることが重要です。
宿泊を伴う行事のとき
宿泊行事はお子さんも楽しみにしている行事です。楽しい時間を過ごすためにも準備はしっかりとしておきましょう。あらかじめ園、学校、主治医と相談しておきます。持参するお薬、キャンプファイヤーなど行われるイベントに注意すべきものがあるか、など細かい確認が必要です。
お子さんに注意させたいことは枕投げや布団の上で飛び跳ねる行為です。とはいえ、他のお子さんがしてしまっては防ぎようがないので、部屋決めの配慮も学校側にお願いしておくと安心です。
学校・保育園で発作が起きた時の対処方法
あらかじめ園や学校にお知らせしたとはいえ、実際にぜん息発作が起こってしまった場合、先生も焦ることがあります。どんな状態の時に注意をしてもらうか具体的な説明が必要になります。
◎給食が食べられない、歩けない、返事をしっかりとできない
◎ヒューヒュー、ゼーゼーと言う呼吸音がしている、脈が早い
◎顔色が悪く興奮しているあるいはぐったりしている
◎肋骨の間がへこんでいる
以上の症状が出た時にはすぐに保健室など安静な場所に移動し、持参しているお薬を使い、保護者に連絡をとります。顔色が変化している場合はすぐに救急車を手配しましょう。
しばらくして様子が落ち着いたら教室に戻り、保険医や先生がはっきりとわからない状況の時には病院へ受診します。運動させていた時に起こった場合はすぐに運動をやめさせる、水を飲ませ安静にする。腹式呼吸など呼吸を整えて、お薬を飲ませる。もしお薬がない場合にはすぐに受診をした方が良いので、保護者に連絡をとりながら救急車の手配もする。
いざと言う時のためにお薬は必ず切らさないようにし、すぐに連絡が取れる体制にしておくことが大切です。すぐに先生にしてもらうべきことなど、緊急時のための話し合いをしておくことで先生も安心して対処することができます。
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