吸入薬を正しく使おう!
吸入薬はぜん息の治療においてもっとも重要なお薬ですが、正しく使用しなければ効果は得られません。吸入薬は慣れるまで補助器具を使用しても、小さいお子さんの場合はちゃんとできているか気になるところです。吸入薬が正しく使用できているか、定期的にかかりつけの医師にチェックしてもらうことも大切です。
目次
吸入器の種類と使用方法
吸入薬は、気管支から肺までしっかりと適切な量を届かせる必要があります。種類によっては乳幼児には難しいものもあるため、医師と相談しながら選びましょう。
ネブライザー
器具に液体のお薬をセットすると、薬を霧状にします。霧状になった薬を吸い込みます。ネブライザーは吸入時間が多少かかりますが、吸い込む力が弱くてもお薬をしっかりと吸入できるので、乳幼児から高齢者まで使用することができます。また、お薬の量の調整が簡単にできます。
ネブライザーにはジェット式、メッシュ式、超音波式とタイプがありますが、吸入ステロイド薬には適さないものもありますので、医師と相談してからどのタイプが良いのか決めましょう。
ドライパウダー
パウダー状のお薬を勢いよく吸い込みます。自分で吸うタイミングを決められ、携帯することができるので便利です。お薬の量の微調整ができず、パウダーが口の中に残りやすいため、乳幼児や吸う力の弱い高齢者にはあまり適していません。
エアゾール(加圧噴霧式定量吸入器(pMDI))
ガスの圧力によってボンベからお薬が噴射されます。噴射と吸い込むタイミングを合わせる必要があります。噴射に勢いがあるため、緊急時など息の吸い込みが浅い時には有効ですが、勢いでむせやすいことがあります。
スペーサー
エアゾール(加圧噴霧式定量吸入器(pMDI))吸入のタイミングを合わせ、自分のペースでできるように補助する器具です。エアゾールは口の中にお薬が残りやすいのですが、スペーサを使用することで残りにくくなります。マスクタイプとマウスピースタイプがあります。お子さんが扱いやすいものを選びましょう。
お子さんが正しく使用するために
お子さんが初めて使用する時には「怖くない」「辛くない」「痛くない」というイメージを持たせることが重要です。決して無理強いしてはいけません。乳幼児のお子さんには補助具を持って遊ばせるなど親しみが出るようにしたり、親御さんがつけて楽しそうにすることで興味を惹くこともあります。お子さんが吸えたら「モクモクさん上手に吸えたね」「気持ちよくなったね」など声かけをしてあげましょう。マスクはしっかりと顔に密着させるようにしますが、きつく押し付けることがないように気をつけてください。ぐずったり嫌がっている時は無理に吸わせようとせず、落ち着くまで様子をみましょう。
吸って吐くの区別ができ、口から吸える、深呼吸ができるようになったら自分で吸入器を使えるようになります。マウスピースタイプは口の両端に隙間ができていないか、マスクタイプは顔に密着しているかを確認します。呼吸を止めたり吐き出すカウントを一緒にしてあげることも大切です。
吸入器を使用した後は口の周りを拭いて、うがいをさせます。うがいができない乳幼児にはお水を飲ませるようにして残留しているお薬を流すことを忘れずにしましょう。
自我が芽生えてくると「自分だけが使っている」などと抵抗感を持つこともあります。兄弟や周りに同じようにお薬を使っている、年齢の近いお子さんがいらっしゃる場合は、他の子も使っているということを見せ合うのもいいかもしれません。定期受診の際には普段の吸入器が正しく使えているかチェックをしてもらうことをおすすめします。
吸入薬ができない場合
どうしてもお子さんが嫌がっている時や、かぜなどで喉に炎症が起きて痛くて吸入ができないなど、時として吸入薬が使用できない場合があります。お子さんに無理強いするのはよくないですが、ぜん息の治療に一番欠かせないのは、長期間お薬を使ってコントロールしていくことです。喉の炎症など明らかに原因があるときにはすぐに主治医に相談し、落ち着くまでは飲み薬に変えて様子をみます。気分的に嫌がっているお子さんには、なぜこの薬が必要なのか、ぜん息というものについてしっかりと話しあうことも必要だと思います。
何れにしても吸入薬を長期間休むことは治療にならないため、もし休んでいたら何日間休んでいいたか、炎症具合など状態を調べた上で医師と相談する必要があります。
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