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小児の気管支喘息(ぜんそく)

ご案内

当院には呼吸器専門医、アレルギー専門医、小児科専門医、総合内科専門医、が在籍しています。

小児から大人まで一貫したアレルギー治療の提供体制を構築しています。

小児の気管支喘息(ぜんそく)について

小児の気管支喘息とは

気管支喘息は、「慢性的な気管支の炎症」の状態になっていて、ちょっとした刺激にも敏感に反応し、喘息発作を引き起こしてしまいます。

気管支喘息(ぜんそく)と診断されるお子さんは、喘息でない子と比べて、アトピー性皮膚炎食物アレルギーなどのアレルギー疾患の既往歴や花粉症なども含めたアレルギーの家族歴があるお子さんが多いです。

花粉と咳と喘息(ぜんそく)についてはこちら

症状

  • 息を吐くときに、ヒューヒュー、ゼイゼイ、ゼロゼロが聞こえる。
  • 特に、運動や風邪、ホコリ、煙などのアレルギー物質の吸入や、天候や季節の変化によって、咳が出たり、止まらなくなったりする。

急いで受診すべき症状

  • 苦しくて顔色が悪い。
  • ぼーっとしている。
  • せきこんで食事がとれない。
  • せきこんで眠れない。
  • 苦しくて会話ができない。歩けない。
  • 肋骨の上や肋骨の下が呼吸の度にべこべこくぼむ。(陥没呼吸)
  • 鼻の穴がぴくぴくしている。(鼻翼呼吸)
  • 肩で呼吸している。(肩呼吸)

診断

ただし、2歳頃まではRSウイルス感染などの感染性の咳(風邪)でもゼイゼイ、ヒューヒューと喘鳴を起こす(細気管支炎)ことも多いです。

そのため、乳幼児期の気管支喘息の診断は一度の診療では難しいことが多く、風邪に伴う喘鳴がおこり、気管支拡張薬の吸入や内服で改善する、といったエピソードを数回繰り返すことで、気管支喘息と診断がつくこともあります。

年長児(5、6歳以上)の場合には、息を思いっきり吐く検査(スパイロメトリー)や、気道(空気の通り道)の炎症の程度を調べる一酸化窒素(NO)濃度測定の検査などを施行して、診断、管理に役立てます。

治療

喘息治療薬には、長期管理薬発作治療薬の2種類があります。

発作の頻度、症状の程度にあわせて、治療薬を選択していきます。適切な吸入器具を用いた吸入指導も行いつつ、ご両親、お子さんご自身と協力しながら良好なコントロールが得られるよう、精一杯の対応をさせていただきます。

1.長期管理薬

発作が起きていないときにも、気道の慢性的な炎症は生じています。お薬を続けることで、少しずつ気道の炎症が改善され、発作が起こりにくくなりますので、きちんと継続しましょう。

  • 吸入ステロイド(オルベスコ、アドエア、パルミコート、フルタイドなど)
  • ロイコトリエン拮抗薬(モンテルカスト、プランルカストなど)

2.発作治療薬

発作が起きた時に、狭くなった気道を広げて、呼吸を楽にする薬。吸入しても治まらない強い発作の時には緊急受診が必要です。

治療の注意点

1.吸入の後はうがいをしましょう。

吸入ステロイド薬の一部が口の中に残ったままだと、口の中にカビが生えてしまう(カンジダ症)ことがありますので、吸入の後は毎回うがいをしましょう。うがいができない乳幼児のお子さんは、吸入後に水を飲みましょう。

2.効率よく吸入しましょう。

正しく吸入ができないと、吸入薬は十分効果が得られません。子どもでは難しいため、吸入補助具(スペーサー)を用いて吸入します。

スペーサー

 

エアゾール製剤を取り付け、吸入しやすくします。オンラインでも購入出来ますし、薬局や医療機関で取り扱っていることもあります。何種類かありますが、年齢に適したものを選びましょう。

ネブライザー

ネブライザーには、いろいろな種類があります。

ネブライザー用の薬液(ステロイド、気管支拡張薬など)を霧状にしてくれる機械です。吸い込む力が弱くても確実に吸入できるため、発作時、ご高齢の方、乳幼児に使用しやすいです。

ジェット式、超音波式、メッシュ式があります。ジェット式はどの吸入液でも使用出来ますが、メッシュ式では吸入ステロイド液の使用に適さないものもありますので、ご自宅用に購入する際にはご注意ください。

クリニックにパンフレットを用意しておりますので、ご参考になさってください。

環境整備が大事です

また、必要に応じてアレルギー検査なども施行しダニ、カビ、花粉やペットの毛などへの反応の有無の確認を行い、環境整備も行います。

タバコの煙は喘息の発症・増悪、呼吸機能の低下を引き起こすため、喘息のあるお子さんのいるご家族の方は特に禁煙(分煙ではなく禁煙!です)していただく必要があります。

リモデリングの予防のために

(図:アレルギー学会HPより)

短時間作用型のβ-2刺激薬(気管支拡張薬)を吸入するとスッと楽になります。
苦しい時だけ気管支拡張薬を吸えば良いような気がしてしまいます。
しかしこれでは根本的な解決にならないどころか、将来的に肺の機能がとても低下します。
気管支が狭くなる→拡げるというサイクルを繰り返すと最終的に気管支が狭いままになってしまうのです。
これをリモデリングといいます。
リモデリングの予防のためにも、きちんと必要量の吸入ステロイドを使い、気道の炎症を抑え、気管支の収縮を最小限にとどめるようにしましょう。

吸入薬についてのまとめはこちら

飲み薬や塗り薬と違って身近ではない吸入薬、何だかとっつきにくく感じるかもしれません。

最近では吸入薬が増え、より患者さんそれぞれに合う吸入を選択出来るようになっています。当院では患者さんと相談しながら吸入薬を選択するのはもちろんですが、必要に応じて吸入指導も行いながら経過をみています。

吸入薬についてはこちら

当院はじめての方へ

当院には、小児科専門医、アレルギー専門医、呼吸器専門医、総合内科専門医、が在籍しています。

小児から大人への一貫したアレルギー診療が可能です。

高い専門性を有しながらも一般的な内科・小児科の診療も可能です。

在籍医師はこちらから。ワクチン接種時や乳幼児健診や診察時など育児に関することもお気軽にご相談ください。

風邪をひいた、せきが長引く、便秘、肌がかさかさする、発熱、風邪(かぜ)、咳(せき)、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、下痢・嘔吐、腹痛、頭痛、中耳炎、ひきつけ(けいれん)などの症状など多岐にわたる小児科一般の病気を診断・治療しています。


小児予防接種、乳幼児健診、お子様の諸症状でご心配の場合には、小児科専門医・アレルギー専門医・呼吸器専門医・総合内科専門医が在籍する当院へ気軽にご相談ください。

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