【小児科・アレルギー科】離乳食のはじめ方について
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離乳食のはじめ方について
初めて子育てするママさんにとって離乳食を与える時期やメニューについて「本当にこれで大丈夫なの?」「食べさせちゃったけど大丈夫かな?」などと不安になることも多いと思います。最近では育児書やYouTube、ソーシャルネットワークなどで離乳食に関する情報が多すぎて逆に戸惑ってしまいますよね。ここでは離乳食を始める時期や補完食の考え方などよく聞かれる離乳食に関わるお話しをしていきます。
<目次>
1・離乳食を始める時期
2・補完食という考え方
3・離乳食の与え方とおすすめメニュー
4・食べたがらない時は?
5・この時期によく聞かれること
1・離乳食を始める時期
離乳食は生後5ヶ月から6ヶ月頃が始め時です。
具体的な目安としては
- しっかりと首が座っているか
- 椅子に座れるか
- よだれがしっかり出ているか
- 食べ物に関して興味を持っているか
椅子に座らせた時に首がしっかりと安定し、椅子からずり下りてこないか、よだれが十分に出てきて、食べ物に対して興味を示す様子があれば離乳食の始め時です。
これらの身体的な状態は生後5〜6ヶ月でみられますが、逆にこれらの条件を満たしていても5ヶ月前に始めるのは注意が必要です。
たとえ5ヶ月に前に体が大きくて、よだれが十分に出て、食べ物に興味を持っているとしても、見た目的な判断で決定するのは危険です。実際に消化機能、腎機能、嚥下機能が十分に発達しているかどうかの判断は見た目では分かりませんので、5ヶ月に満たないうちに離乳食を始めるのは避けた方がいいでしょう。
2・補完食という考え方
「補完食」という言葉を聞いたことはありますか?補完食(complementary foods)とは「ミルクや母乳で補えない栄養素を他の食品から与えましょう」というものです。これはWHO(世界保健機関)が推奨しアメリカやヨーロッパ諸国で認知されています。日本で紹介された時に補完食は「離乳食」と馴染みのある言葉に置き換えられてしまうため、日本では正しく補完食の概念が広まっていないのです。
昔から日本では離乳食といえば「十倍粥」やりんごのすりおろしなど赤ちゃんにとって消化の良いものを重視しています。しかしこれらの食品では確かに赤ちゃんのお腹には優しいけれど、十分な栄養を補うことにはなりません。生後6ヶ月頃には赤ちゃんはママからもらっていた鉄分も減少していき、母乳やミルクだけではカロリーや鉄分などの栄養素が不足しているのです。日本の離乳食では本来必要な栄養素が赤ちゃんにきちんと与えられていないのです。
要するに日本式の離乳食は内臓や嚥下機能に負担がかからないことを重視しているのですが、補完食の考えはそれにプラスして栄養素もカロリーもしっかり取り入れましょうという考え方です。
3・離乳食の与え方とおすすめメニュー
育児書やネットで調べると離乳食は2回食であれば10時に一回、夕方に一回などと決まった時間に赤ちゃんとママさんだけの1対1で向き合って食べさせていると思います。また、家族の食事の時間でも大人が食べている間、赤ちゃんは一人バウンサーに寝かされているという状況が多いのではないでしょうか。確かに、どうしても時間通りにとなると自然と赤ちゃんと大人の食事時間がずれて、赤ちゃんの食事時はママさんと1対1になってしまうのは仕方がないでしょう。しかし離乳食の本来の意味は「食への興味、関心」にあると思います。家族と一緒に食べることで食事は楽しい、もっともっと食べたいという、食に対してのプラスのイメージが芽生えることが大切です。
必ずしもきっちり決まった時間に与えなければならない、というものではありません。多少時間がズレようとも、家族団欒にできるだけ参加させることが大切なのではないかと思います。ママさんの負担を考えると違う時間帯の方がゆっくりと離乳食を作れるのかもしれませんが、わざわざ違う食材にしなくても、大人と同じ食材をペーストしたり、ちょっとした工夫をすることによって負担も少なく、同じ時間帯に食事をさせるようにできると思います。
おすすめメニュー
オートミール粥
オートミールを粉ミルクで20分ほどコトコト煮込みます。さらに固いようであればブレンダーで潰します。
オートミールは食物繊維、鉄分、カロリーがしっかりと摂取できて消化にもよく食物アレルギーの心配もほぼない理想的な食材です。最近では若い女性にも注目されて豊富な種類がスーパーでも手軽に購入できます。何か混ざっていると食物アレルギーの心配もありますので、離乳食として選ぶ時はできるだけシンプルなものを選びましょう。
4・食べたがらない時は?
- まずはお母さんがリラックスする
- ビュッフェ様式にしてみる
- 市販のものを上手に活用してみる
どうしても離乳食を受け付けないと悩んでいるママさんも多くいらっしゃいます。赤ちゃんが何も飲まない、食べないというのは何かしらの病気であることが考えられますが、哺乳が良好で、体重が順調に増えていて、機嫌がよければ、安心していただいてよい状態です。それよりもママさんが必死で食事を食べさせようと頑張って、それでも食べてくれないと落ち込んで、しまいには鬼の形相で無理やり赤ちゃんに食べさせようとしていませんか?一生食べないというお子さんはいませんので、色々な食材を経験する、それだけでよいと気楽に考えてみてください。
少し手間がかかってしまうのですが、ビュッフェスタイルのように、いろんな種類の食事を用意して、この中から好きなものを見つけてもらう方法もいいと思います。その時はできるだけママさんや周りの大人も一緒にパクパクと美味しそうに食べているところを見せるようにすると、赤ちゃんも食べてみようかなという気分になってくれます。
必ず毎食手作りでなければいけないということはありません。市販の離乳食も豊富にありますから上手にそれらを利用するのもおすすめです。色々と試していくうちに自然と赤ちゃんは好きなものが見つかってくると思うので、徐々に食べてくれるようになるでしょう。
5・この時期によく聞かれること
離乳食を始めた時期によくみられるのが、赤ちゃんの口元が赤くかぶれ、食物アレルギーではないかと不安になり、かぶれなのか、アレルギーなのかの見極めができないという相談です。
まず多くの場合、口周りの赤みは接触性皮膚炎でよだれや食べ物のカスが触れることによって起こるものです。
食物アレルギーとの見分け方のポイントとして、その部分だけに赤みやかぶれがみられるのか、体の他の箇所にも同じようなものがあるのかです。口周りの部分だけの場合は接触性皮膚炎の可能性が考えられ、その他の部分にも発疹やかゆみ、膨らみがみられる場合には食物アレルギーの可能性が考えられます。
また、同じ食材を食べさせた時に再現性を持って症状が出る場合には食物アレルギーが考えられますので専門医に受診しましょう。
アレルギーを起こしやすい食べ物やそうでない食べ物の見極めも小児科医でないと難しいため、少しでも不安に思うことがあればすぐに相談しましょう。
最後に
慣れない離乳食はわからないことがたくさん出てきます。
当院小児科医師は育児経験がありますので、
更に詳細なパンフレットのご用意もございます。
ご不安な方は診察時にご相談下さい。
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