知っておきたい、花粉症のセルフケア
毎年花粉症で悩んでいる患者さんは増加しています。特に今年は例年よりも飛散数が増加しているとも言われているので、嬉しくない花粉症デビューをする人も増加すると予測されます。
花粉症を発症しそうな方も、すでに辛いという方もこの時期を少しでも快適に過ごせるように、最新版の花粉症セルフケアについてまとめてみました。
基本的な花粉症対策
花粉症はとにかく身体に花粉を付けない、取り入れないことが肝心です。花粉は非常に粒子が細かいこともあり、完全に防ぐことは難しいのですが、基本的な対策をするのとしないのでは大きな差があります。
- 外出時のマスク
マスクはPM2.5のような粒子の細かいものでもシャットダウンしてくれる機能性のあるマスクを選びましょう。 - ゴーグルの着用
ゴーグルは鼻や目の隙間をしっかりとガードするタイプが良いです。 - ツルツルとした素材の上着を着る
花粉はツルツルとした素材ですと中の繊維にまで侵入することが難しいため、ナイロンなどのツルツルとした素材の羽織もの、コートなどで身体を覆うと良いです。また、帰宅後は室内に入る前に上着をはたき、室内に花粉を入れないようにしましょう。 - 洗濯物を外に干さない
この時期は花粉の他にもPM2.5などの有害物質が付着するので、なるべく室内干しがお勧めです。ただし、どうしても外に干したいという時は花粉の飛散がピークに達するお昼前後、日没前後は避けるようにしましょう。
花粉時期のメイク・スキンケア方法
花粉の時期のメイク、スキンケアに困っているという声をよく聞きます。そもそもメイクはしない方がいいのでは?と思っている人も多いようですが、メイクやスキンケアをすることで花粉対策になることもあるのです。
花粉が顔や髪など地肌に付着するとかゆみやくしゃみ、鼻水といった症状が起こります。前述したように花粉時期にはゴーグルやマスクをして花粉をブロックしていても、髪や隙間から花粉が侵入してしまいます。また、ゴーグルやマスクの接触する部分が擦れる、跡が残るなど皮膚トラブルを起こすこともあります。花粉を肌に付着させるのを防ぐために、化粧下地、ファンデーションを塗ることは有効です。花粉の時期は紫外線にも気をつけ始める時期ですので、UVケアを兼ねて下地をつけることをお勧めします。最近ではUV効果もあり、花粉などの粒子をブロックする下地も販売されています。
目が痒くなるとついつい目をこすってしまいますが、アイメイクをすることで直接肌に触れることを防ぐ効果もあります。また、鼻をかむ回数も増えるため、鼻周りが赤くなりやすくなります。十分な保湿をした上でファンデーションは薄く伸ばすと化粧崩れや赤みが目立つのを防いでくれます。
とにかく花粉を長く肌に付着させない、顔に手を触れないように、メイクやスキンケアでガードをしましょう。そして帰宅後はしっかりとクレンジング、洗顔をして保湿を十分にしましょう。
花粉症が原因の身体のトラブル
花粉症はアレルギー疾患の一つです。一度花粉症を発症すると様々なアレルギー疾患を引き起こす場合があります。結膜炎、副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などは花粉症が発端となってひどくなる方もいらっしゃいます。また、花粉症の時期が終わっても一年中花粉症のような症状が続いている場合には通年性のアレルギー疾患を起こしていることもあります。
花粉症は今や国民病と言われるほど多くの日本人がかかっていることから、軽く見られがちですが、花粉症が原因となり他のアレルギー疾患を引き起こすことも多い厄介な病気なのです。特に喘息などの呼吸器疾患の場合は正しくコントロールしていく必要があるので、花粉時期の長引く咳には注意が必要です。
花粉症かな?と思ったら
まず花粉症かなと疑ったら、呼吸器、アレルギー専門医のいるクリニックでアレルギー検査をしましょう。花粉症の市販薬は多くの種類が販売されています。ついつい手軽に買って服用してしまいがちですが、市販薬は不特定多数の人を対象に処方されています。安易に服用する前に必ず専門医でご自身のアレルギーの原因を確認し、ご自身の症状に合ったお薬を処方してもらうことをおすすめします。また、花粉症のような症状でもインフルエンザやコロナなどの感染症にかかっていたケースも多く見られます。発熱がある場合はすぐに検査しましょう。
花粉の時期を過ぎても咳が止まらない、鼻水が出続けるなどの症状がある場合には花粉だけでなく他のアレルギー反応を起こしていることもあります。特に花粉症をきっかけに喘息が悪化してしまこともあるため、一度でも喘息と診断されたことがある人は特に注意が必要です。最近では大人になってから喘息を発症する方も増加しています。喘息は放置しておくと重篤化するおそれがある病気です。疑わしい症状がある人は早めに呼吸器科、アレルギー科専門医に受診し、喘息と診断された場合には専門医の指導のもと正しくコントロールしていく必要があります。
当院では呼吸器科専門医、アレルギー科専門医、総合内科専門医が在籍しておりますので、随時適切な検査、治療が行えます。少しでも気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。