気道可逆性試験について
「喘息」と言われたけど、本当に喘息でしょうか?
咳が続く、息が苦しい。そんな症状で受診し、「喘息」と診断された方もいらっしゃると思います。
しかし、実際には喘息ではないケースや、吸入を使用せずとも感染後の咳が自然に改善したケースも少なくありません。
吸入薬をすでに使用されている場合、呼吸機能検査の結果が薬によって改善した結果なのか、それとももともと問題がなかったのかを区別するのは簡単ではありません。
このような場合に、気道の反応性を客観的に調べる「気道可逆性試験」が役立ちます。
気道可逆性試験とは
当院では、気管支喘息や咳喘息の診断をより正確に行うために「気道可逆性試験」を実施しています。
この検査は、気管支拡張薬を吸入する前後で息を吐きだす力(1秒量)がどの程度改善するかを確認することで、喘息特有の「気道の可逆性(せまくなった気道が薬で広がる性質)」を評価します。
検査の流れ
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スパイロメーター(呼吸機能検査)で、まず現在の呼吸状態を測定します。
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気管支拡張薬(β₂刺激薬)を吸入します。
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吸入後15分ほど休憩してから、再度スパイロメーターで測定します。
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吸入前後の差を比較し、可逆性(改善の有無)を判定します。
検査時間はおよそ30〜40分程度。痛みはなく、リラックスして受けられます。
検査でわかること
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喘息の可能性が高いかどうか
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吸入薬が本当に効果を発揮しているか
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他の病気(感染後咳嗽・COPD・慢性咳嗽など)との違い
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今後の治療方針の参考となる呼吸機能の現状
対象年齢
原則として、小学校高学年以上(概ね10歳以上)〜成人の方が対象です。理由として検査ではしっかりと息を吸って吐く操作が必要となるため、年齢や協力度によっては実施が難しい場合があります。
小児の喘息が疑われる場合は、診察のうえで他の検査方法や経過観察を検討します。
検査前の注意点
この検査は、検査前にすでに吸入薬などの投薬が行われている場合、正確な評価ができません。
そのため、検査の48時間前から喘息治療薬の休薬が必要となります。
ただし、休薬によって症状が悪化する場合は、無理をせず直ちに治療を再開してください。
その場合は、可逆性試験の実施が難しくなるため、他の方法で評価を行うことも検討します。
検査をご希望の方へ
当院では、呼吸器専門医による診察の上、必要に応じて検査を行っています。
「本当に喘息なのか確認したい」「吸入治療の効果をきちんと評価したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
咳が長引く、息苦しさが続くなどの症状がある方もお気軽にご相談ください。
田町三田駅前内科でも同様の検査を行っております。
