花粉症外来について
はじめに
当院ではアレルギー専門医・呼吸器専門医・総合内科専門医・小児科専門医が診察致します。
小児から大人まで一貫したアレルギー診療が可能です。
高い専門性を有しながらも一般的な内科・小児科の診療も可能です。
呼吸器専門医が複数在籍していることにより、呼吸器に関する専門性が高い診療が可能です。
在籍医師は育児中の女性医師です。お気軽にご相談ください。
花粉時期の鼻水・喉の症状は呼吸器アレルギー科へ
花粉症かな?と思ったとき、何科に行くのがいいのか迷っている人、けっこういらっしゃいます。鼻水が辛いから耳鼻科?目がかゆいから眼科?迷いますよね。花粉症はまず呼吸器アレルギー科へ行くことが良いのです。なぜ呼吸器アレルギー科が良いのか、耳鼻科との違いなど解説していきます。
花粉症とは
花粉症とは植物の花粉が原因となってアレルギー症状を起こす状態です。日本ではスギが一番多く、4人に1人がスギ花粉症であると言われています。
また、近年は花粉量の増加や生活習慣の変化などから、子どもの花粉症も増えています。
花粉症は早めにアレルギー症状を抑えるとシーズンを通して軽く済みます。症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、できるだけ早期に(1月末頃から)内服を始めることが重要です。
(スギ花粉の治療、いつから?)
なぜ早めの治療が必要なのか?
薬を我慢すると呼吸器疾患などをこじらせることがあります。
鼻と気管支はつながっています。「One airway, one disease」といい、鼻炎と喘息(ぜんそく)は同じアレルギーの病態が存在することが多く、同時にしっかり治療をする必要があります。花粉を吸い込む量が多いと鼻や眼だけではなく、気管にまで悪影響が生じます。
ですので、花粉症の時期はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状はもちろんですが、喘息が悪化する方も多く要注意です。
美的.com 女医に訊く Vol.102 2020年4月
「アレルギーはどうして起こるの?花粉症対策」について、取材協力致しました。
花粉症が起こるメカニズム
人間の身体には、 体内への有害物質の侵入を防ぐ働きが備わっています。これを免疫反応とといいますが、この免疫反応が過剰に働くことで起こるのが花粉症です。
本来は人体に無害なスギなどの植物の花粉を、 身体が有害物質と判断してしまうと、 花粉に対する抗体を作ります。すると、再度花粉が侵入してきたときにそれを追い出すために免疫反応が起こり、目のかゆみやくしゃみなどが引き起こされるのです。
花粉症の原因
花粉症は植物の花粉が原因となるアレルギーで、日本で多いのはスギ花粉やヒノキ花粉です。
体内に入る花粉が一定量を超えると、炎症を起こすヒスタミンやロイコトリエンやプロスタグランジンなど、ケミカルメディエーターという物質が作られます。これらが原因で花粉症の症状が引き起こされます。
花粉が最初に触れる鼻やのど、目の症状が一般的ですが、体質によって偏りが出る場合があります。
30代以降で花粉症になる人もいれば、大人になって症状が落ち着く人もいらっしゃいます。
発症のきっかけは遺伝的要因が半分と環境要因が半分です。
- 遺伝的要因:家族にアレルギー体質がいれば花粉症の確率は高まります。
- 環境要因:花粉を浴びる量のことで多いほど発症しやすくなります。
子供の頃は花粉症だったけれど成人したら症状が落ち着いたという人もいますが、これは免疫機能が安定したためです。ただ治ったわけではないので30代、40代で再び発症することもあります。
また、妊娠・出産などでホルモンバランスが変わって花粉症が悪化もしくは軽減したり、高齢になって免疫の働きが鈍ると症状が軽くなったりと、体とともに変化することがあります。
花粉症の症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが主なつらい症状です。
その他に肌荒れ、耳のかゆみ、頭痛、だるさ、微熱、咳なども起こします。
慢性的な鼻炎がある人は鼻づまりや鼻水がひどくなったり、喘息持ちなら咳がでる、アトピー性皮膚炎の傾向がある人は肌にかゆみがでることがあります。
また、微熱やだるさを感じるため風邪と間違える人もいらっしゃいます。
高熱が出たり、鼻水の色が透明から黄色などに変わるなら風邪ですが、そうでないときは花粉症の可能性が高いといえます
食欲が低下したり、口や喉が渇くこともあります。
これは主に鼻づまりによる嗅覚低下や口呼吸の増加が原因です。
花粉症の症状がひどいと眠りが浅くなり睡眠不足になります。
集中力や記憶力も低下しパフォーマンスも落ちやすいです。
季節ごとの花粉症
(図:サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社サイトより)
花粉症は春だけではなく夏や秋にもあります。
アレルギー症状を引き起こす可能性のある花粉を飛ばす植物の種類はさまざまで、春の花粉、夏の花粉
秋の花粉、一年を通して何らかの花粉が飛散しています。
スギは2~4月、ヒノキは3~5月、イネ科は5~9月、ブタクサは8~9月など、花粉症の原因になるものが季節ごとにあります。
春の花粉
春は、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、など樹木系の花粉が飛んでいます。
夏の花粉
夏は、カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ギョウギシバなどイネ科の植物の花粉です。これらは夏から秋にかけてです。
秋の花粉
秋は、ヨモギ、ブタクサ、などのキク科、カナムグラです。
口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndrome:OAS)
口やのどのかゆみはありませんか?
「果物や野菜はまずくて嫌い!」……それって実は嗜好の問題だけではなくアレルギーが影響していることがあります。
症状
果物や野菜を食べたあと、直後から数分以内に口の中や舌、唇、のどにかゆみ、しびれ感、腫れた感じが現れます。多くは口の中のみの症状で終わりますが、まれにアナフィラキシーショックを起こすことがあります。
原因
果物や野菜に存在するアレルギーのもと(=アレルゲン)が原因で起きるアレルギー反応です。
どんな人がなるの?
花粉症の方は花粉のアレルゲンに反応します。野菜や果物のアレルゲンは花粉アレルゲンと形が似ているため、花粉症の方は特定の野菜や果物にもアレルギー反応(交差反応)を起こすことがあるのです。
シラカンバ花粉症の42%、スギ花粉症の患者さんの10%強に合併しているとされています。また、喘息の方や食物アレルギーの方、その他アレルギーをお持ちの方にも生じる可能性があります。
どうしたらいいの?
原因となる食べ物を避けましょう。生で食べると特に症状が出やすいのですが、加熱したら食べられることもあります。何にアレルギーがあるのか採血などで調べ、食べ方を医師と相談しましょう。
アレルギー血液検査によるアレルゲンへの総抗体量(IgE抗体)測定など必要に応じて検査します。
気になる方は 一度アレルギー専門医、小児科専門医が在籍している当院にご相談ください。
花粉症シーズンの生活の注意
花粉の除去、回避が重要です
症状のレベルを問わず対策すべきは、花粉をできるだけ体内に入れないことです。マスクやメガネの着用、自宅に入る前に服や髪についた花粉を払う、帰宅後すぐにうがいや手洗い、洗顔の習慣をつけて花粉シーズンを乗りきりましょう。
スギ花粉が多くなる時間帯は、 地域やその日の気象条件、 季節によっても変わりますが、一般的には昼前後と日没後に多くなるといわれています。 花粉シーズンは出かけるなら午前中がベストです。また、テレビやインターネットで気象情報や花粉情報を入手し、花粉の要注意条件が整っている日(最高気温が高めの日、 雨の日の翌日で天気がよい日、 風が強く晴天で乾燥した日など)は、より慎重に対策が必要です。
- 換気は短時間にとどめ、窓は小さく開けましょう。
- 部屋の中はこまめに掃除をしましょう。
- 洗濯物や布団は外干しを避けましょう。
- メガネ、マスクなどを活用し、花粉の粘膜への付着を避けましょう。衣類は毛羽だった素材は避けて下さい。髪はまとめたほうが花粉は付きにくくなります。
- 帰宅時は衣類や髪に付いた花粉を良く払ってから室内に入りましょう。
- 帰宅後すぐにうがい洗顔、手洗いを行い、鼻をかみましょう。
花粉症の検査
アレルギーを起こしやすい体質や原因物質を調べるために、当院では採血によるアレルギー検査とプリックテストも行っています。
当院ではアレルギー専門医・呼吸器専門医・総合内科専門医・小児科専門医が在籍しています。
結果を適切に解釈した後に処方し、状況に応じて環境整備のアドバイスなどもさせていただきます。
体質を知り症状のコントロールに役立てましょう。
アレルギー検査について
アレルギー症状を引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。
アレルゲンは気管支喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎・食物アレルギー・じんましん・アトピーなど色々な症状を引き起こします。
気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどをお持ちの方で、病状のコントロールのため必要であれば保険診療で検査が受けられます。
血液検査によるアレルゲンへの総抗体量(IgE抗体)測定など必要に応じて検査します。
小児では必要に応じて実施します。
プリックテストは医師の判断により行う検査です。全ての方が適応となるわけではありません。また適応となる方でも総合的に判断し、初診時に検査出来ない場合があります。
当院では小児のプリックテストは火午前、木午前、土午前に行っています。高校生以上は毎日可能です。担当医師にご相談ください。
花粉症の治療
主に飲み薬、点鼻薬、点眼薬、スギ花粉の舌下免疫療法があります。
毎年つらい症状が出るなら、花粉の飛散シーズンよりも前(1月末頃)に薬を飲み始めるのがおすすめです。
早めにアレルギー症状を抑えるとシーズンを通して軽く済みます。
薬を我慢すると呼吸器疾患などをこじらせることがあります。
選びかたに不安がある人はクリニックで相談しましょう。
花粉症治療の主な薬剤
1)飲み薬
抗ヒスタミン薬
くしゃみや鼻水を和らげます。眠気などの副作用が強いものもあります。鼻詰まりを緩和する血管収縮薬との配合剤もあります。第一世代と第二世代があります。
- 第一世代・・・眠気や口渇などの症状が出ることがあるため、服用する際には注意が必要です。市販の花粉症の薬にはこの第一世代の抗ヒスタミン薬が含まれている場合があります。
- 第二世代・・・眠気などは少ないですが、一部の薬剤では熱性けいれんを引き起こしやすくしてしまうため、けいれんの既往がある方は事前にご相談下さい。
薬剤の形も様々で大きな錠剤、小さな錠剤、貼り薬、口の中で溶ける錠剤、ドライシロップ、シロップなどがあります。1日1回内服のもの、2回のものなどなど使い分けは様々です。
患者さんそれぞれに合った薬剤を処方出来るよう、相談しながら処方しています
抗ロイコトリエン薬・抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬
鼻づまりの時によく使います。飲み始めて1-2週間後の方が効果があります。
その他
ケミカルメディエーター遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬などがあります。
どうしても症状が強い場合には短期間のみステロイド薬を内服することもあります。
2)点鼻薬
鼻噴霧用ステロイド薬
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状に使います。
点鼻用血管収縮薬
特に鼻づまりがひどいときに使うこともありますが、長期間使用すると逆に鼻づまりが悪化するため注意が必要です。
3)点眼薬
点眼用抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離阻害薬などがあります。
重症ではステロイド点眼を使用することがありますが、この場合には基本的には眼科で眼圧の評価などを受けた方が安心です。
花粉症の治療のポイント
本格的に花粉の飛散が始まる前(1月末頃)から薬物療法を始めることが重要です。
具体的には、初期療法といって、抗アレルギー薬や点鼻薬、点眼薬を花粉飛散予測日もしくは症状がみられた時より開始します。お薬によっては、飛散予測より1週間前に開始をすすめるものもあります。症状が軽いうちにしっかり治療することで、症状の発現を遅らせたり症状を軽減させる効果があります。
市販薬について
市販の花粉症の薬も沢山出ています。中には副作用がでやすいものもありますので、花粉症のコントロールが不安定な場合には、医療機関を受診するようにしましょう。当院では患者さんそれぞれに合った薬剤を処方できるよう、相談しながら処方していきます。
花粉症の薬について
「花粉症の薬」について、当院でも患者さんからよく聞かれる質問に対してお答えしています。花粉症の薬についてはこちらもご参照ください。
舌下免疫療法について
花粉症治療のひとつ舌下免疫療法は治療開始に適した時期があります。
治療を続けるには根気がいりますが、花粉症のシーズンには開始出来ない治療です。
スギ花粉症の症状が強くお悩みの方は、飛散のない時期(6月頃~秋頃)にご検討頂くとよいです。
小児(5歳から)でも処方可能です。(ただし基本的に服用方法を守れるような年齢のお子さんが対象となります。)
舌下免疫療法の受診方法
舌下免疫療法は、アレルギーを起こす物質を服用しますので、アレルギーの症状が出る可能性があります。
特に初回内服時はアナフィラキシーショックなど重篤な反応を起こす場合があるため院内で服用後、待合室にて30分程度お待ちいただき副作用確認させていただきます。
そのため通院2回目の初回内服の日は最終受付時間より1時間程度余裕をもってお早めに受診下さい。
舌下免疫療法をご希望の際は、
受診日当日にWEB時間帯予約をお取り願います。
花粉症のQ&Aについて
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受診方法について
当院ではアレルギー専門医・呼吸器専門医・総合内科専門医・小児科専門医が診察致します。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、できるだけ早期(1月末頃から)に当院をご利用ください。
ただいまの待ち時間状況、時間帯予約はこちらから
(当日の時間帯予約のみになります。直接のご来院も可能ですが、予約優先となります。)