運動誘発性喘息(EIA)検査を導入しました
当院では、運動によって咳やゼーゼーと苦しくなる「運動誘発性喘息(Exercise-Induced Asthma: EIA)」の評価を目的とした検査を新たに導入いたしました。
このような症状はありませんか?
- 運動のあとに咳が止まらない
- 体育のあとや部活動でゼイゼイする
- 夜や翌日に咳が強くなる
- 喘息の薬を使っていても、運動だけで苦しくなる
こうした症状はEIAによる可能性があります。
診断と適切な治療方針の決定には、運動負荷をかけて、実際に呼吸機能を評価する検査が有用です。
検査方法
- 運動負荷試験 を行います。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー) を運動前と運動後に実施します。前後の変化率を見て、運動負荷により気道狭窄が起きるか確認します。
- パルスオキシメーターでモニタリング を行い、運動の負荷を調整します。
この検査でわかること
- 運動による気道の収縮の有無
- 喘息の診断の一助となる客観的データ
- 治療薬の効果判定(コントローラー薬・吸入薬の有効性)
- 学校生活・運動制限・部活動参加の判断材料
対象年齢
- 6歳以上のお子さまから成人まで が対象です
(運動協力が可能であれば実施可能です)
検査時間と検査の流れ
- 毎週木曜日 15時~17時(受付17時まで)
- 検査時間:検査から結果説明まで約40分程度要します。運動時間は約10分です。
- 事前準備が必要なため、完全予約制となります。必ず事前にご予約ください。
検査の流れ
① 事前相談
まずは一度ご来院いただき、運動誘発性喘息が疑われるかどうかや、検査の必要性・注意点についてご説明いたします。
② 検査予約
検査は 木曜日15:00〜17:00(最終受付17:00) の時間帯で実施しています。
ご相談後に日時を決定いたします。
※お電話または受付での事前予約制となります。
※感染症流行期(11月~2月)は感染対策のため検査を中止しております。
③ 検査実施・結果説明
予約当日に検査を行い、同日に結果説明をいたします。
検査後は今後の治療や運動の可否についてもご案内いたします。
検査前の注意事項
検査前の食事
検査前に食事をとられる場合は、軽食にしてください。
検査時の服装
動きやすい服装でお越しください。ランニングシューズまたは運動靴をご着用ください。
検査前の薬剤の休薬
以下のお薬は、検査の48時間前から中止してください。
- 抗ヒスタミン薬
- 抗ロイコトリエン薬
- 吸入薬(気管支拡張薬)
ただし、休薬により症状が悪化する場合は、速やかに投薬を再開し、検査は中止いたします。
検査前の運動制限
検査前の少なくとも4時間は運動を避けてください。
安全対策
検査中、医師またはスタッフが付き添います。
吸入薬や救急対応薬を備えております。運動負荷により喘息発作が生じた場合にはネブライザーなど緊急で処置を行うことがございます。
ピークフローメーターについて
ピークフローメーターとは、息を一気に吹き出したときの最大呼気速度(PEF:ピークフロー)を測定する小型の器具です。
気道の通りやすさを簡単に確認でき、喘息や運動誘発性喘息(EIA)の日常的な自己管理に役立ちます。
普段の生活の中でも、朝・夜・運動後などにピークフローを測ることで、
- 気道の状態の変化を早期に察知
- 発作や症状悪化の予兆を確認
- 治療効果や吸入薬のコントロール状況を把握
といった自己管理ツールとして活用できます。
EIA検査を受けた方には、検査終了後にピークフローメーターをお渡しし、使い方もスタッフよりご説明いたします。
費用について
本検査は 保険診療 にて実施可能です。
診察料および検査費用に加え、検査枠の確保のため 予約金として別途5,000円 (ピークフローメーター代を含む)を頂戴いたします。あらかじめご了承ください。
参考文献
- Tancredi G, Quattrucci S, Scalercio F, et al. 3-min step test and treadmill exercise for evaluating exercise-induced asthma. Eur Respir J. 2004;23: 569–74.
- Barbosa RCC, Silva RA, Lunardi AC, et al. Reproducibility, validity, and reliability of the incremental step test for subjects with moderate to severe asthma.Pulmonology. 2024;30:344-351.
- R O Crapo, R Casaburi, A L Coates, et al. Guidelines for methacholine and exercise challenge testing-1999. This official statement of the American Thoracic Society was adopted by the ATS Board of Directors, July 1999. Am J Respir Crit Care Med. 2000;161:309-29.
