肥満外来(自費診療)について
1・肥満外来の注意点
- 肥満外来は予約制になります。予約時間は通常の診療予約時間と異なり9:30から17:00となります。
- ウゴービは、医学的に治療が必要な肥満の方を対象とした薬です。美容や医学的に不要なダイエット目的の方には投与できません。
- 副作用が出ることがあり、安全に使用するためには医師の管理のもとで治療を行う必要があります。
- ウゴービは注射だけに頼る治療ではなく、運動や栄養療法など生活習慣の改善と併用することで効果を発揮します。
- なお、日本でのウゴービ治療は保険診療の対象が限られているため、当院での治療はすべて自費診療(自由診療)
となります。なお料金には診察料、検査料、薬剤費が含まれております。
2・ウゴービ治療について
当院では、食欲のコントロールを助ける新しい肥満症治療薬「ウゴービ(セマグルチド)」を用いた減量サポートを開始致しました。
ウゴービは週1回の自己注射で、満腹感を持続させやすくし、自然に食事量を減らす効果が期待できます。
海外の大規模研究では、生活習慣の改善と組み合わせることで体重減少や生活習慣病の改善効果が報告されています(※効果には個人差があります)。
「短期間で急激に痩せる」ことを目的とするのではなく、健康を守りながら、無理のない持続的な減量を目指す治療です。
特に睡眠時無呼吸症候群や肥満喘息など、肥満が関わる病気をお持ちの方にとって、減量は治療効果を高める大切な要素です。そうした方にもウゴービは有効な選択肢となり得ます。
なお、ウゴービは「医学的に治療が必要な肥満」の方を対象とした薬です。
美容やダイエットのみを目的とした使用については、有効性・安全性が示されていません。
そのため、当院ではこうした目的での使用はお断りしております。
あらかじめご了承ください。
3・ウゴービとは?
ウゴービ(セマグルチド)は、もともと体の中で作られる「GLP-1」という腸のホルモンの働きを補う薬です。
GLP-1は食欲や満腹感に関わるホルモンで、ウゴービを投与することで、脳の食欲中枢に働きかけて食欲を抑え、さらに胃の動きをゆるやかにして満腹感を長く保つことができます。その結果、自然に食事量を減らしやすくなり、無理のない減量をサポートします。
投与は週に1回、専用のペン型製剤を使った皮下注射で行います。
最初は外来で注射手技を練習し、その後はご自宅で自己注射を行っていただきます。毎日打つ必要はなく、続けやすいのが特徴です。
ウゴービは糖尿病治療薬として使われるインスリン注射とは全く異なる薬で、インスリンではありません。
この治療は薬だけに頼るのではなく、食事や運動など生活習慣の改善と組み合わせることでより効果を発揮します。当院では医師が生活習慣の見直しも含めてサポートし、安心して治療を続けられるよう伴走いたします。
なお、日本においては保険診療でのウゴービ治療は大学病院など専門施設に限られており、対象も厳しく制限されています。そのため、多くの方にとっては現時点で保険診療は難しく、当院では自由診療(自費診療)としてのご案内となります。
4・副作用に関して
ウゴービは体の自然なホルモンの働きを利用する薬ですが、使用にあたってはいくつかの副作用が報告されています。
よくみられる副作用として以下があげられます。
- 吐き気・むかつき
- 下痢や便秘
- お腹の張りや違和感
- 食欲の低下
これらは治療初期や用量を増やした時期に出やすく、多くは時間とともに軽減されます。
食べ過ぎや脂っこい食事で悪化することがあるため、ゆっくりよく噛む・少量ずつ食べる・脂質を控えるといった工夫で和らぐ場合があります。
またまれに注意が必要な副作用として以下があります。
- 強いお腹や背中の痛み、繰り返す吐き気(膵炎の可能性)
- 胆石や胆のう炎に伴う右上腹部の痛み、発熱、黄疸
- 下痢や嘔吐が続くことによる脱水
- 低血糖(単独では起こりにくいですが、糖尿病治療薬を併用している方は注意が必要です)
こうした症状が出た場合には、必ず医師にご相談ください。
なお使用を控えた方がよい場合として以下の方には投薬を控えさせていただきます。ご了承ください。
- 妊娠中・授乳中の方、また妊娠を希望している方
- 過去に膵炎を起こしたことがある方
- 重い胃腸の病気をお持ちの方
- 甲状腺髄様がんやMEN2という病気の既往がある方
5・治療適応の基準について
ウゴービは「医学的に治療が必要な肥満」の方を対象とした薬です。
日本ではBMI 25以上を「肥満」と判定します。
- BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
例:身長160cm・体重80kg → 80 ÷ 1.6² = 31.3
ウゴービ治療の適応となる方は以下の条件がございます。
- BMI 35以上の方(合併症の有無を問わず)
- BMI 27以上で、次の肥満に関連する病気を2つ以上持っている方
※肥満に関連する代表的な11の病気
- 耐糖能異常(2型糖尿病・糖尿病予備群)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症など)
- 脳梗塞など脳血管障害
- 脂肪肝(NAFLD/NASH)
- 月経異常・不妊症(多嚢胞性卵巣症候群を含む)
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 閉塞性肥満低換気症候群
- 整形外科的疾患(変形性関節症や変形性脊椎症など)
このように、体重だけでなく「合併症の有無」も重要な判断基準になります。
当院では上記の条件を満たさない場合は、ウゴービを投与することはできません。適応の有無を正しく確認するため、初回の診察時には血液検査(採血)を行います。その結果や既往歴をふまえて、投与の適応を医師が総合的に判断いたします。
6・治療のスケジュールに関して
ウゴービは少量から始めて、体を慣らしながら段階的に増量していく薬です。
標準的には週1回皮下注射、4週間ごとに増量していきます。
初回は外来で注射手技を練習し、その後はご自宅で自己注射を行います。
注意点として、必ず2.4mgまで増量できるわけではありません。副作用や体調に応じて、少量で継続することもあります。
・実際の診療の流れについて
- 初診時:カウンセリング、体重測定、血液検査などを行い、適応があるかを確認します。
- 2回目(導入期):医師が適応と判断した場合、ウゴービを開始します。同時に注射の自己手技指導を行います。
- 3~5回目(開始1か月後~3か月後):毎月受診が必要です。診察、体重や腹囲の測定、副作用の確認を行いながら処方します。
- 6回目以降(維持期・開始4か月後以降):効果が確認できた方は、2または3か月に1回の通院に移行します。また副作用確認のため、3か月に1度は血液検査を行います。
・治療期間と中止の判断
- 治療は最大68週間(約1年5か月)までです。
- 継続中でも、効果が得られなくなった場合には中止します。また、体重が−5%に到達した場合には、継続を慎重に判断することがあります。
- 最初の4か月で効果が不十分な場合は中止します。
7・費用について
当院では自由診療(自費診療)でのご案内となります。価格は以下の通りです。
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0.25mg 4週分 |
税込 22000円 |
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0.5mg 4週分 |
税込 27500円 |
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1.0mg 4週分 |
税込 38500円 |
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1.7mg 4週分 |
税込 50600円 |
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2.4mg 4週分 |
税込 62700円 |
※診察料、血液検査料を含みます。
※郵送、肥満外来のオンライン診療は行っておりません。
※国内販売代理店経由(医薬品卸)で購入しております。
