痛風について
風がふいても痛い ~痛風について~
今日はビールと言えば尿酸、尿酸と言えば痛風、ということで、痛風のお話をしようと思います。
痛風とは
痛風は尿酸という物質が体の中にたまり、それが関節の中で結晶になって、激しい痛みを伴う関節炎を起こす病気です。
放置すると激しい痛みを繰り返したり、体のあちこちに結節が出来たり、腎臓が悪くなったりする、意外と侮れない病気です。
原因
尿酸の摂取量が増える、もしくは排泄が減り、体内で過剰になると高尿酸血症という状態になります。
そのうち尿酸が結晶化した後関節内に沈着し、関節炎を起こします。
症状
普段症状はありませんが、関節炎を起こすと激しく痛みます。
これを痛風発作と呼びます。
1週間程度で徐々に治まっていきますが、消炎鎮痛剤を内服した方が早く治まります。
症状が無くなっても体内の尿酸が消えて無くなる訳ではないです。
未治療でいると痛風発作を繰り返します。
関節の痛みだけでなく、身体のどこかに結節ができたり(痛風結節)、腎機能が低下したり(痛風腎)、尿路結石が出来たりすることがあります。
診断
血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
治療
まずは生活習慣の見直しが重要です。
尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品は摂取を控え、水分を十分摂りましょう。
アルコールはビール以外でも痛風の原因となりますので、禁酒日をもうけたり、種類によらず摂取量を減らしましょう。
また有酸素運動なども効果があります。
〈食品とプリン体含有量〉
| プリン体含有量 (食品100g当たり) |
食品名 |
|---|---|
| 極めて多い (>300mg) |
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、カツオブシ、ニボシ、干し椎茸 |
| 多い (200-300mg) |
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物 |
| 少ない (50-100mg) |
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれんそう、カリフラワー |
| 極めて少ない (<50mg) |
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼竹輪、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、 ジャガイモ、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ |
(高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインより抜粋)
生活習慣を見直した上でコントロール出来ない場合には内服薬を使います。
内服薬について
発作時
非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ステロイド、白血球遊走阻害薬(関節炎の炎症を落ち着かせる)
非発作時
尿酸産生阻害薬、尿酸排泄促進薬
発作予兆期
コルヒチン(予兆期以外は無効)
痛風は血管障害のリスクも上がりますので、他の生活習慣病と併せてしっかり治療をする必要があります。
健康診断で異常値が出た場合などには、ぜひご相談下さい。
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