11ヶ月目の赤ちゃん
もうすぐ1歳を迎えるこの時期は、特に周りの同じ月齢の赤ちゃんと比較してできないことを気にするママさん、パパさんが増えます。もう1歳目前なのにという気持ちよりも、1歳前にこれだけのことができるようになったと前向きな気持ちで赤ちゃんと接しましょう。また、気になることがあればすぐに信頼できる主治医に相談することも大切です。
目次
1・この時期の身体的・心理的特徴
2・病気と怪我
3・9〜11ヶ月目までのワクチン接種
1・この時期の身体的・心理的特徴
伝い歩きでどこまでも行ってしまう赤ちゃんが多くなります。この時期にファーストシューズを購入する親御さんも多いのではないでしょうか。指先の力も入るようになり、ゆるい蓋など自分で開けることができるようになります。
コミュニケーション能力がぐっと高くなって興味のあるものや欲しい物に指さししたり、「アー、ウー」と声を出して意思表示をするようになります。少しずつ大人の言葉を理解してきますので、「ママはどこかな」というとママの方をみたり、指を差したりなど反応します。意思疎通ができるようになると赤ちゃんは喜んで何度も楽しい動作を繰り返します。根気よく付き合ってあげましょう。
心の発達も個人の特徴が出てきます。ゆっくりのんびり屋さん、慎重派さん、など性格が表れてきます。性格が身体的な成長に影響し、できるのにやらない、様子を見ていることもあります。乳児健診で身体機能に問題がないなら、ゆっくりと成長を見守りましょう。
2・病気と怪我
1歳になる前までに多くの赤ちゃんが経験する病気として突発性発疹があります。突発性発疹は38度以上の高熱が伴うことで驚く親御さんもいますが、問題のない病気です。熱はあっても赤ちゃんの機嫌がいつもと変わらないことが多く、3、4日で熱が引いた後に体に赤い発疹が現れます。これが出ることで突発性発疹だったと診断します。合併症などもなく、お薬の処方もいらないので安静にして水分補給をしっかりとしていれば問題ありません。発疹は自然に消えていきます。
この時期に一番気をつけたい事故は立つ、歩くことが不安定なために起こる転倒事故です。赤ちゃんが普段伝い歩きをするところはカーペットを敷いたりクッション性の高いものにする、家具の角にもコーナークッションをつけて顔や頭をぶつけた時に備えましょう。二次的な怪我として、家具にぶつかった時に上に積んであるものが落下することも考えて、安全に配置することが必要です。テーブルクロスや紐など出っ張ったものを引っ張ることが楽しい時期です。特に食卓に熱いものがある時にテーブルクロスを引っ張ると火傷の危険性にもつながります。食卓に赤ちゃんが引っ張りそうなものを置くのは避けましょう。頭を強く打って心配になることもありますが、しばらく様子を見て、機嫌がよければ問題はありませんが、吐く、ぐったりするなどの症状が起こった場合にはすぐに受診しましょう。
3・9〜11ヶ月目までのワクチン接種
これまでの接種状況を確認しましょう。通常のスケジュールですと以下の接種が完了していると思います。
- ヒブ(3回)
- 小児用肺炎球菌(3回)
- B型肝炎(3回)
- ロタウィルス(2回または3回)
- 四種混合I期(3回)
- BCG(1回)
接種漏れがある場合には1歳までには終わらせましょう。気になることがあればお医者さんに相談しましょう。
- インフルエンザワクチン(任意)
インフルエンザは毎年10月〜12月の間で年に2回、1回目の接種から2〜4週間後に2回目を接種しましょう
身体的特徴や離乳食の進み具合、この時期は大きな個人差があるということを知っておいてください。周りの同じ月齢の子の様子と比べて焦る必要は全くありません。少しでも気になることがあれば、信頼できる小児科医に相談しましょう。
当院では、小児科専門医、アレルギー専門医、呼吸器専門医、総合内科専門医が在籍しています。そして医師たちは育児中のママさんでもあります。お気軽にご相談ください。