花粉症の薬について
花粉症の薬について
花粉症にかかってしまうと、鼻水やくしゃみ、咳、眼のかゆみなど、とてもつらくて皆さんお困りのことと思います。
だらだらととまらない鼻水をとめるために点鼻薬をつかったり、目のかゆみをおさえるために目薬をつかったりしますが、花粉症の場合、どうしても飲み薬を服用しなければならないケースがほとんどになり、「どの薬が自分の体質に合うのか?」、「他に服用している薬がある場合にどういった薬なら併用して飲めるのか?」など、お薬についてのお悩みや疑問を抱かれている方も多いと思います。
そこで、このページでは「花粉症の薬」について、当院でも患者さんからよく聞かれる質問に対してお答えしていこうと思います。
花粉症の薬が効かないときはどうすればいいの?
病院で処方された花粉症のお薬が効かない患者さんには、そのお薬が合っているのか、飲み合わせが良くないのかなどの問題を確認する必要があります。基本的には1週間ほどの服用をしていただき効果を確認します。
飲み薬だけで経過を見られている患者様も多いのですが、点眼薬や点鼻薬を併用されることによって効果が高まる方も意外と多くいらっしゃいます。
それでも改善しない重症な花粉症の方もいらっしゃいますので、その場合はステロイドの飲み薬を使用したり、IgE抗体療法をすることをおすすめすることがあります。
IgE抗体療法は現在当院では行っておりませんが、2020年より花粉症治療として抗IgE抗体療法(オマリズマブ)皮下注射の治療を行うことが認められました。こちらの治療は12歳以上でスギ花粉症のあらゆる薬にも効果の出ない重症な方やステロイド治療が困難な方が対象となります。
その他花粉症の治療として当院でも行っている舌下免疫療法もあります。舌下免疫療法は少なくとも3年は続けないといけない治療にはなりますが、5歳以上の小さいお子さんにもできます。(舌下免疫療法の詳細はこちらへ)
花粉症のお薬は西洋医学のお薬や漢方薬、抗体療法など様々な方法や組み合わせがありますので、専門の医師と相談しながら最適な薬や療法を見つけていくことが望ましいと思います。
花粉症の薬で眠くならないものはあるの?またどうして眠くならないで済むの?
最近ではテレビコマーシャルでも「眠くならない花粉症の薬」とアピールしているものが多く、市販薬でも眠気を軽減した薬が出ています。
かつての花粉症の薬は眠くなることもあり、強い眠気のため仕事に支障をきたしてしまうという人もいました。昔の花粉症の薬には、脳の中にも花粉症のお薬を感知する受容体があるため、そこにくっつくことで眠気を引き起こしてしまっていました。
新しい薬は脳にくっつくことを軽減させたものに改良されたため最近のお薬は眠くなるという副作用が少なくなってきています。
市販薬でもアレグラ、クラニチンなどは眠気がでにくいお薬となっていますが、鼻炎総合薬に関しては古い時代の眠気が出てしまう成分が入っていることが多いので注意が必要です。
市販薬を複数飲んでいるという方もいらっしゃるのですが、その飲み方などによっては危険も伴います。また飲む時期や飲む間隔が守られていなければ薬本来の効果も薄れてしまいます。
漢方薬は眠気を引き起こさないので今まで漢方薬を使用してこなかった方も一度相談してみるのも良いかもしれません。当院でも漢方薬の処方をおこなっておりますのでご相談ください。
何れにせよ患者様の体質や生活スタイルに合った効果のあるお薬を見つけるためには、できるだけ専門の医師の指導のもと適切なお薬を処方してもらうことをおすすめします。
花粉症に効く漢方薬は?
花粉症で有名な漢方薬は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)というお薬があります。小青竜湯はサラサラと出続ける鼻水、鼻づまり、咳やたんの症状を改善させる効果が高く、花粉症のみならず、風邪や他のアレルギー性の症状の時にもよく使われるお薬です。他にも花粉症に用いる漢方はあります。状態に合わせて処方します。
漢方薬の最大のメリットは副作用として眠気がでないことなので、お仕事柄車を運転される方や試験を控えている学生さんなどに向いていると思います。
また西洋医学のお薬だけでは効果が十分でない方には漢方薬を併用することもあります。
漢方薬を希望される方は、他の病気の治療薬で西洋医学のお薬を服用しているため花粉症には漢方薬を使いたい、漢方薬でゆっくりと様子を見たい、去年使ってみて調子が良かったので今年も使いたい、など様々な事情があります。
さいごに
当院ではなるべく患者様のご希望に添えるように処方しています。ただし漢方薬にも副作用はありますし、その漢方薬が合わないなどの場合には他の漢方薬に変えてみて適切なお薬を見つけます。
上記の3つの質問は、当院の患者さんから多く寄せられる質問でしたが、おそらく花粉症のかたのほとんどの方がお感じになっている「内服薬に関する疑問」だと思います。
ご自身の判断だけで、花粉症の市販薬を他の薬と併用する場合などは特に注意が必要ですので、医師に一度ご相談された方が良いと思います。
そして、最初のお薬が効かないと感じられた場合も医師に相談して頂き、別のお薬を処方してもらうなど、ご自身にあったお薬を見つけて頂ければと思います。
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当院の受診方法は?
花粉症の時期はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状の他に、せき、たん、息切れなど喘息が悪化する方もいますので、注意が必要です。
長引く咳、痰、息切れ、花粉症などの諸症状でお悩みの方は、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医・小児科専門医が在籍する当院へお気軽に一度受診をご検討下さい。
(当日の時間帯予約のみになります。直接のご来院も可能ですが予約優先となります。)
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